〈特別対談| 中国牽制という共通目的のために日本とロシアは手を携えるべきだ〉

2012.07.05.20:28

数々の著書で「張作霖爆殺ソ連特務機関犯行説」を主張するドミトリー・プロホロフ氏と、「日本は侵略国家であったのか」で第一回「真の近現代史観」懸賞論文で最優秀賞を獲得、その後は講演や著書で真の歴史を人々に伝え続ける田母神俊雄氏が対談。ロシアの苛酷な情報統制や挑発を続ける中国の傲慢な態度など、今の東アジア情勢に関する赤裸々な情報交換が行われた。

勝者の歴史観によって侵略を判断すべきではない

田母神 来日の機会に、いろいろとお聞きしたいと思っていました。よろしくお願いします。今日12月8日は、先の大戦が始まった真珠湾攻撃の日です。

プロホロフ はい、それは知っています。

田母神 プロホロフさんは、第二次世界大戦全般を、どのように評価していますか?

プロホロフ 一般的な意見になってしまいますが、やっぱり戦争はない方が良いと思います。

田母神 日本はこの戦争に負け、連合国による東京裁判によって、侵略国家というレッテルを貼られました。この裁判での歴史観から、未だに日本は抜け出せていません。しかし私を含む多くの人間が、日本が侵略を目的として戦争を始めたのではなく、追い込まれてやむを得ず開戦に至ったという考えを持っています。プロホロフさんは、どういう見方をしていますか?

プロホロフ 国際状況というのは常に複雑なものですが、当時は特にそうでした。ドイツの国家社会主義やソ連の共産主義など、さまざまなイデオロギーに基づく社会的実験が行われており、決して平和な時代ではありませんでした。そんな中を、日本も含めて世界各国が自らの国益を求めて動いていたのです。1939年から45年までの第二次世界大戦において誰が侵略者だったかは、慎重に判断する必要があります。侵略というのは国際法上の概念ですが、どこに適用するかが難しいのです。例えば見方によってはソ連も侵略者です。1939年、ソ連はドイツとともにポーランドに侵攻し、この国を独ソで分割しています。しかし戦争が終わると、勝利した側の歴史観が適用されますから、勝者のソ連は侵略者ではなく、敗者のドイツは侵略者なのです。この文脈で、日本も敗戦国ですから、侵略者となっています。私はこの問題に接する時には、もっと別のアプローチが必要なのではと感じています。

田母神 なるほど。しかし歴史教育に関しては、どの国でも自国に誇りを感じられるように教えています。日本はアメリカの占領政策の延長で、誇りある歴史が教えられていません。これを取り戻さないと、21世紀の日本は弱体化する一方ではないかと危惧しています。プロホロフさんが発表した張作霖爆殺が日本ではなくソ連特務機関の犯行だったという説は、日本が誇りある歴史を取り戻すきっかけになると思うのですが…。

プロホロフ 歴史の見直しの問題ですね。ロシアでもソ連崩壊直後の1991年以降、いい意味での歴史の見直しが行われました。ソ連時代には議論できなかった多くの事柄について、リベラルに研究することが盛んになったのです。しかし4~5年前から、共産主義時代への逆戻りともいえることが起こっています。歴史の見直しには、良い側面と悪い側面があります。私が行っているのは「見直し」ではなく、歴史家としての真実の追求です。張作霖爆殺事件に関しても、ロシア国民としてソ連特務機関の犯行というのは心地よいものではないのですが、これが真実だと考えたので公表したのです。

関東軍にも日本海軍にもコミンテルンの手先がいた

田母神 サンクトペテルブルクでの元谷代表との対談では、歴史家のドミトリー・ヴォルコゴノフ氏の研究がきっかけで、プロホロフさんは張作霖爆殺事件を調べたということでした。ヴォルコゴノフ氏は、プロホロフさんの特務機関時代の上司ですか?またきっかけになったのは本ですか?資料ですか?

プロホロフ 田母神さんも軍のご出身ですからわかると思いますが、ヴォルコゴノフさんとの関係は軍の機密にかかわるので、お話できないのです。ただ研究の際に、特務機関であったり防諜機関であったり官民を問わず、さまざまな人から情報をいただいたのは確かです。その中からたくさんの面白い事実を発見しました。今となっては裏付けをとるのは難しいですが、傍証から信頼に足りうる事実が数多くわかってきました。そういった情報源の一つとして、質問されたような方と接触したのは確かです。

田母神 これもひょっとしたら答えられないかもしれませんが、日本に来られるにあたって、ロシア当局から何らかの指示はありましたか?

プロホロフ これに関しては率直にお答えします。出国の許可を得る際に、私の来日に関して特務機関が興味を持っているという感触はありました。しかし正式な接触はなかったですね。ですから、こういう条件で出国を許可するとか、こういうテーマは日本で話しては駄目ということは一切ありませんでした。

田母神 数多くの本をプロホロフさんは書いていますが、どんな資料を元にしていますか?

プロホロフ 私が本に利用している資料は、すべてオープンソースのものです。以前は公文書館に入ることができましたから、そこで私が見つけて公表が許可された書類、また過去の事件の関係者の回顧録や公の機関が公開した文書などです。先人の歴史家たちの著作物から問題設定を参照することもありますし、インターネットの歴史サイトやそこからのリンクなども、とにかく利用可能なものはすべて利用しています。

田母神 日本では関東軍、海軍の中にコミンテルンのスパイがいて、内部から工作を行っていたという説があるのですが、本当でしょうか?

プロホロフ まずコミンテルンというのは特務機関ではないので、工作は行いません。各国の共産党の組織化を行うのです。戦前の日本共産党は非合法組織でしたから、コミンテルンはイデオロギー的な指導ではなく、まず日本の左派勢力の統一を行えという指示を出していました。そういう状況の中で、関東軍の将兵の何人かがコミンテルンとの関わりを持っていたことは十分に考えられます。ただ組織の決定に影響を及ぼすほどの多人数ではなかったでしょう。一方、多数の白系ロシア人がいた満州において、反革命勢力の指導者だったグレゴリー・セミョーノフの補佐官が、KGBの前身である内務人民委員部とつながっていたという情報もあります。いずれにしても、コミンテルンや特務機関と関係していた人物たちが、関東軍や白軍において大きな影響力があったということはなかったでしょう。

田母神 私は特に、日本海軍にコミンテルンの息がかかっている人がいたのではと感じています。というのも、A級戦犯として東京裁判にかけられた28人の中には、海軍出身者が一人もいないのです。真珠湾攻撃を行った海軍が、一人もA級戦犯として罪を問われない理由がわからない。首相や海軍大臣を務めた米内光政は、駐ソ連武官だった経歴があり、ロシア人との間に子どもがいるという歴史家もいます。彼も戦犯にはなっておらず、ソ連と通じていたという噂があります。海軍とソ連とのつながりはどうだったのでしょうか?

プロホロフ 海軍の中におっしゃるような人物はいたと推測されます。しかし現在、諜報に関する公文書館が公開されていないので、事実に基づいたことが言えません。かつて私は特務機関の規定を見たことがあるのですが、エージェント一人ひとりのプロフィールそのものが国家機密であり、決して公開はしないという厳密なものでした。国家が転覆するなどよっぽどのことが起きない限り、推測を裏付ける文書を得ることは難しいでしょう。


中国は傲慢な国です都合のよい歴史的事実を探してきては攻撃的にぶつけてくる

田母神 ソ連と日本とが戦ったノモンハン事件は、従来は日本がこてんぱんにやられた負け戦だとされていましたが、最近公表された資料から、五分五分もしくはソ連の方の被害が多かったということがわかってきました。しかしロシアのメドヴェージェフ大統領は、歴史解釈の見直しは許さないと主張しています。これはどういうことなのでしょうか?

プロホロフ ノモンハン事件については、軍事史の専門家ではないので詳しくはないのですが、ロシアで歴史評価の見直しが禁止されたのは事実です。これはノモンハン事件だけではなく、すべての歴史が対象。もしこれを犯した場合、歴史歪曲の罪として、刑法犯として裁かれることになります。おかしいのは、歴史の事実に基づいた歪曲の否定ではなく、単に大統領の政敵をつぶすために行われているということです。これが非常に問題です。

田母神 張作霖事件の件に戻るのですが、当時のイギリス陸軍情報部極東課は、ソ連の特務機関の仕業だという報告書を2度にわたって本国に送っています。この報告書は2007年にw0106-5750という文書番号で、ロンドンのナショナル・アーカイブという施設において公開されていて、誰もが見ることができます。イギリスがこういった報告書を本国に送っていることを、ロシアの特務機関は知っていたのでしょうか?

プロホロフ 特務機関同士の接触は、特に珍しいことではありません。1930年代においても、ソ連とドイツの特務機関が、ボーランド分割に関する情報交換を行っていたのはよく知られています。イギリス陸軍情報部もソ連の特務機関とのつながりがあったのでしょう。今でもロシアの特務機関とアメリカのCIAは、対テロ戦争で協力しています。チェチェンのテロリストに関して、アメリカからの援助が役に立ったこともあったそうです。

田母神 先程からお聞きしていると、今のロシアでは、かなり情報に関する規制が厳しくなっているようですね。あらゆる情報にアクセスできる人間というのは、いるのでしょうか?

プロホロフ 誰に対しても厳しくなっていて、その傾向はどんどん強くなっています。例えばロシア北西の都市・アルハンゲリスクの内務省公文書館の館長が逮捕されました。かつての政治的な粛清の被害者の親族が、粛清で実際に彼はどうなったかを知りたいと要請、文書閲覧の法律に従って館長は文書を公開したのですが、それにもかかわらず公開したことで彼は逮捕され、刑法犯として裁判にかけられています。そんなめちゃくちゃな状況なのです。

田母神 今中国が、経済的にも軍事的にも台頭してきています。中国が力を持ちすぎることは、ロシアにとっても好ましくないことです。中国は日本に過去の清算を求め続け、外交交渉を有利にして、日本を自国の利益に貢献させようと画策し続けています。日本が真実の歴史を取り戻して中国に対抗するために、ロシアからの歴史情報は非常に貴重なものです。これで日本が中国を牽制することは、ロシアの国益への貢献にもなると思うのです。そういった意味で、プロホロフさんには、これからも活躍して欲しいですね。

プロホロフ ありがとうございます。中国のこの10年間の動きには、目に余るものがあります。数カ月前にも、中国はロシアの国境近くで大きな軍事演習を行いました。その目的は明確ではなく、非常に不透明です。中露間には数多くの問題があります。アムール河沿いにある中国の黒河市からは、汚水がロシアに流れ込み、天然記念物のシベリアンタイガーなど付近の生態系に悪影響を与えています。何度抗議しても、止めようとしないのです。歴史に関しても中国は傲慢な国です。彼らは自分たちに都合のよい歴史的事実を探してきて、それを他国に攻撃的にぶつけてくるのです。これに対しては断固戦わないと駄目です。戦わないと止まらないのです。共通の利益がある日本とロシアが手を組んで、中国に対抗していくべきでしょう。

田母神 心強いお話で、まさにその通りです。今日はありがとうございました。

プロホロフ ありがとうございました。


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