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GHQ焚書図書開封(7)「征野千里」4:素晴しい同胞の宿

2013.08.06.19:05

戦場手記『征野千里』中野部隊上等兵谷口勝著 新潮社 昭和13年12月発行より

◆素晴しい同胞の宿

 私も石原上等兵も小林伍長も黙ってしばらくはこの布を眺めていた。朝鮮の同胞が丹精こめたこの千人針は、「兵隊しゃん、しっかりやって下しゃい」という絶叫と一緒に私たちのところへ投げ込まれた――大きなことをいう癖に石原上等兵がもう目を真っ赤にしている。お互に涙ぐんだ顔を見られるのが口惜しいのか、恥かしいのか、しばらくは目をそらして三人とも顔を見合せないでいた。
 「しっかりやらにゃ!」と、なにか胸の底からこみ上げて来るものがあった。

 列車は○○に停って、ここで一泊することとなった。私たちは部隊の幹部と一緒に泊ったので○○府の府長宅に寝た。一夜を立派なこの邸宅で明かして再び出発という朝、連絡にやって来た他の部隊の兵をつかまえて石原上等兵が「昨夜の宿はどうじゃったい」と得意そうに聞いていた。府長の豪奢な邸宅に寝た私たちは、秘かにそれが自慢だったのだ。するとその兵が「ウム、それが素敵なんだ。まあ聞いてくれ」といって語り出した。

 この兵たちは朝鮮の同胞の家に泊めてもらった。家には老人夫婦と十七歳ぐらいの娘さんとの三人が住んでいるきりだった。
 老人夫婦は全然日本語が話せなかったが、娘さんは上手に日本語を話した。老人夫婦と娘さんは持ち物全部を総動員してこの兵たちを歓迎した。喰っても喰ってもまだまだといって馳走をくれる。純朴そのものの老人夫婦は終始ニコニコ笑って惚々とするように兵たちの姿を眺めてばかりいる。
 やがて一夜が明けてこの宿舎を出るというとき老人夫婦がなにかボソボソいって泣き出した。娘さんがそれを通訳してくれるには「わしは日本語が話せなくて、それが悲しい・・・」娘さんは小さな日の丸の旗に立派な日本文字で「天皇陛下の御為めに、草むす屍・・・」と書いてその兵たちに持たせた。そして別れるときには老人夫婦も娘さんも三人ともオイオイと泣いた。なかでも娘さんはいつまでも「兵隊さん万歳!兵隊さん万歳!」と叫び続けていたという。

 これを語りながらその兵は「わしも泣けてなァ。一緒にいた奴等ァみんなやっぱり泣きやがってなァ」といった。またもや石原上等兵を真っ先に私たち三人ともが感激した。私たち一人一人はこうまで全国民の熱狂と支援に価するほどの人間なのだろうか・・・なにかわからぬ気持になってくる。そのわからぬ気持の中をただなにかやらねばならない気持がこみ上げてくる。どんなことがあっても私たちは再びこの地へ帰っては来まいと思って来た。
 この小さな家に住む三人の朝鮮の同胞の気持だけに対してでも、オメオメ帰っては来られまいと思って来るのだ。
「ようし、きた!」そう叫んで石原上等兵が一人歩いて行った。やがてこの優秀なラッパ手が出発合図のラッパを部隊命令で高々と吹き鳴らすだろう。



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