偽文書が決定した対日認識「田中上奏文」を考える 岡田邦宏(2)世界を征服せんと欲せば

2015.03.19.11:45

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◆世界を征服せんと欲せば

ー「田中上奏文」とは、一体いかなるものか。この文書自体は、昭和二年(一九二七)、東方会議の決定内容を盛り込んで、当時の田中義一首相が一木宮内大臣に、天皇陛下への上奏を依頼したという格好をとっている。「昭和二年七月二十五日内閣総理大臣、田中義一、群臣を行率し、誠皇謹恐、謹みて我が帝国の満蒙に対する積極的根本政策に関する件を奏する」に始まり、満蒙に対する積極政策、朝鮮移民の奨励及び保護政策、新大陸の開拓と満蒙鉄道から金本位制度の実行などの経済政策に至るまでかなりの長文であるが、後に注目を集めたのは最初の小見出し「満蒙に対する積極政策」のなかに書かれた次の文言である。ーつまり、日本は中国侵略、世界征服の野望を抱いており、東方会議でその基本計画を決定したというのである。

「支那を征服せんと欲せば、まず満蒙を征服せざるべからず。世界を征服せんと欲せば、まず支那を征服せざるべからず。もし支那にして完全に我国のために征服せられんか、他の小アジア、インド、南洋等々のごとき異服の民族は必ず我を畏敬して我に降伏すべし。世界をして我国の東洋たるべきを知らしめ、永久にあえて我国を侵害することなからしむるに至るべし、これ明治大帝の遺業にして、また我日本帝国の存立上必要たり」

こうした文書が話題になり始めたのは、東方会議の二年後の昭和四年秋のことであり、一般に発表されたのは、その年の十二月、南京で発行されていた「時事月報」という雑誌に中国文で掲載されたのが最初とされる。これを契機に、中国各地でパンフレットのような形で、この「田中上奏文」が刊行され、広く知られるに至る。作者は、中国共産党説から日本人説までいくつもあるが定説はないようである。ーここでは、この「田中上奏文」なる文書が、まず中国において、中国文で「日本による中国征服・世界征服のマスタープラン」として流布されたという事実を確認しておきたい。

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偽文書が決定した対日認識 「田中上奏文」を考える(『明日への選択』編集長 岡田邦宏)〈『明日への選択』平成12年9月号〉
http://www.seisaku-center.net/node/199

Wiki. より歴史的背景を参照します。
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1927年(昭和2年)3月24日、蒋介石ら国民革命軍は南京に入城し、外国領事館を襲撃する南京事件が発生する。この南京事件はのちにコミンテルンのミハイル・ボロディンらによる工作であることが発覚するが、同年4月3日にも日本人居留民が襲撃される漢口事件が発生した。こうした事件を受けて幣原喜重郎外相の協調路線は軟弱として批判され、1927年4月20日に田中義一政友会内閣が成立する。田中は対中外交を積極方針に転じ、5月末より6月にかけて居留民保護のために山東出兵を行った。

6月27日から7月7日にかけて東京で外務省・軍関係者・中国駐在の公使・総領事などを集めた対中政策についての東方会議が行われた。東方会議は、田中内閣のもとで外務次官となった森恪が実質的に組織した。森は満蒙政策強硬論者であり、遼寧省・吉林省・黒竜江省の東三省を中国から分離方針が反映したものであった。7月7日に「対支政策要綱」が発表された。要綱では、自衛を理由に武力行使を辞さないこと(第五条)、日本は東三省、満蒙に「特殊地位」があること(第七条)、動乱が満蒙に波及した場合は「適当の措置に出づるの覚悟あるを要す」とあった(第八条)。

日本軍による山東出兵が行なわれるなか、日本軍の進出に対して北京政府直隷派の周蔭人らは青島奪還を計画し、他方、北京政府奉天派張宗昌はこれを討伐しようとした。そのようななか、特に奉天において「東方会議の結果および田中内閣の満蒙積極政策反対」のスローガンをかかげた反日運動が行われた。

その後、1928年には済南事件、張作霖爆殺事件が起こり、1929年(昭和4年)に田中内閣は張作霖爆殺事件責任者処分にからんで総辞職した。このような時代背景の中、田中上奏文が作成されたのであるが、いつから流布していたのかは不明である。

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